『BAR』…その言葉を皆さんはどう読みますか?

アメリカでは“バー”、スペインでは“バル”、イタリアでは“バール”。

どちらも軽食やお酒を楽しむスタイルは一緒。

読み方は国によって異なります。

今回は、うるま市・石川の通り沿いに佇む“バール”をご紹介します。

「イタリア BAR Amelia」は、

沖縄の食材を使用したイタリア料理が味わえるお店です。

店内は淡く優しい照明で落ち着いた雰囲気。

ワインをしっとりと味わうのに最適な空間です。

壁には、古いイタリア地図。

オーナーシェフの浦崎直史さんがイタリア滞在中に集めた

レシートや電車のチケットが飾られています。

その中には、うるま市ならではの闘牛大会の写真も。

ここ石川は、沖縄で最も闘牛が盛んな地域。

この地域ならではの趣を感じます。

さて、気になるお料理は…

野菜が彩り豊かに盛り付けられた、

「うるま市野菜中心のサラダ バーニャカウダ」。

島ニンジンやゴーヤーなどの地元野菜を、

ニンニクとアンチョビの塩気が効いたバーニャカウダソースでいただきます。

イタリアでポピュラーな赤色の葉野菜「トレヴィーゾ」は

うるま市内の農家が生産しています。

7種の前菜それぞれの素材を少しずつ楽しめるように盛り合わせた

「本日のItalia前菜盛り合わせ」。

ゴーヤーとヘチマを使用したカポナータ(野菜の煮込み)や、

県産モーウィ(赤毛瓜)と島ダコのサラダ、

その隣には赤ワインで煮たカボチャが並びます。

中央に添えられているのは、スペインから取り寄せた生ハム。

イタリアではなく、スペインの生ハムを使うには理由が。

イタリア産のハムは熟成すると柔らかくなり過ぎて、

沖縄の気候では良い状態でお客さんに提供するのが難しいとのこと。

それに比べ、スペイン産のハムは塩をまぶし16カ月間も自然乾燥させているため、

身が引き締まっているので、ちょうど良い状態で提供できるそうです。

薄くスライスされた生ハムを口に運べば繊維がほどけるように柔らかく、

熟成肉の香りが口一杯に広がります。

そして、なんといってもここはバール…。

おいしい料理にはおいしいお酒がなくちゃ!

ワインセーラの中には、

イタリアのトスカーナやヴェネットなどで造られた、

浦崎さん厳選のワインの数々が揃います。

上品な酸味を味わうワインや

バニラやチョコレートのような香りが立つワイン、

キメ細かい泡のスプマンテ(スパークリングワイン)など種類豊富。

素材本来の“味”を重視するイタリア料理に魅力を感じ、

料理人の道を歩み始めたという浦崎さん。

東京と神戸のイタリア料理店で10年以上修業を積み、

イタリアへと渡りました。

田舎のお母さんが作るような、

素朴で温かな料理を学びたいと選んだ地は

イタリア内陸部に位置するアメリア。

日曜日になると電車が運行しないほど、

都心部から離れた場所で料理の腕を磨いたと話します。

沖縄に戻ってから、住み慣れた那覇市ではなく、

うるま市での開店を決めました。

「流通の面を考えると、やはり那覇でお店を構えた方がいい。

でも、うるま市の野菜は野菜本来の“匂い”が強く感じられ新鮮なのが分かる。

また、鮮度の良い野菜や魚がすぐ手に入るので、より良い状態で料理を提供できる」

と、うるま市に魅力を感じた理由を話してくれました。

「肩肘を張らずに身近にイタリアを感じてもらいたい」

との思いで、バールスタイルのお店をオープン。

今では地元客のみならず、他市町村からも沢山の人が足を運んでいます。

食材にこだわった本場持込のイタリア料理と芳醇なワイン…。

それぞれが互いを引き立て、おいしいひと時を演出してくれます。

カウンターで一人、

グラス一杯のワインとアンティパースト(小皿料理)をじっくり味わう。

それとも、友人とにぎやかにおしゃべりしながら、

イタリア料理とワインを堪能する。

バールで過ごす時間は人それぞれ…。

今夜も、通り沿いに温かいライトが灯り、

おいしいイタリア料理とお酒が用意されています。

こだわりのお酒とともに、地元食材を本格イタリア料理として味わう。

そんな大人時間を過ごしてみませんか。

県産野菜をワインとともに…大人の時間が流れる“バール” イタリア BAR Amelia

Italia BAR Amelia

所在地/沖縄県うるま市石川1丁目27-37

電話/098-989-3836

営業時間/18:00~24:00

定休日/日曜日

掲載日 2017年1月20日