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うるま市天願、米軍基地・キャンプコートニーのゲート前に佇む「CASA TACOS」。

33 年前にこの地にオープンして以来、

うるま市民と周辺の米軍関係者から親しまれている老舗のタコス専門店です。

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CASA TACOS(カーサ タコス)の“カーサ”はラテン語で “家”や“家族”を意味する言葉。

「家のように誰もが集える店にしたい」「誰からも愛される家庭の味のタコスを提供したい」

という店主の想いから名付けられました。

名物は店自慢のタコスやタコライス、ミンチと野菜をトルティーヤで巻いたボリュームたっぷりのブリートなど。

丹精込めたメニューが人々のお腹を満たし続けています。

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店内に一歩入ると、まず目に飛び込んでくるのが壁一面に張られた写真の数々。

時が過ぎてセピア色に染まった写真からプリクラ写真まで…

ここ CASA TACOS で家族や友人、恋人と写した写真ばかりです。

写真が切り撮ったたくさんの笑顔が、

このお店が世代も国境も超えて、長年愛されている証。

米軍の青年が自分の父親の若かりし頃の写真を見つけて驚いたことや、

アメリカに帰国してからも家族と一緒に、再び来てくれたお客さんがいることなど、

オーナーの喜瀬さんは写真にまつわるエピソードを嬉しそうに話してくれました。

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こちらがそのオーナーの喜瀬正雄(きせ まさお)さん。

30 代後半から金武町(きんちょう)のキャンプハンセン前でタコス店を経営。

その後、喜瀬さんの地元であるうるま市にも「タコスの美味しさを広めたい」と、

この地に店を構えました。

現在では、タコス、タコライスは沖縄のソウルフードともいわれていますが、

その当時はまだ沖縄の人々に馴染みが薄く、“タコスってタコの酢の物?”と

勘違いする人もいたと喜瀬さんは笑います。

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気軽に食べられることから、昔からアメリカ人には絶大な人気があったタコスですが、

「沖縄の人にも好まれる味にアレンジして広めたい」と喜瀬さんは一念発起。

アメリカ、メキシコにも足を運び、食材を調達し、

あらゆる店を食べ歩いて、研究を重ねたそうです。

「タコスは奥が深く、皮、ソース、ミンチ、それぞれの絶妙なバランスによって、

アッと驚く美味しさに仕上がるので、

どれだけ長く作り続けても、まだまだ研究の要素があります。

75 歳になりましたが今でも日々勉強です」と、

タコスの魅力を話す喜瀬さん。

現在はヘルシーで女性にも喜ばれる、豆を具材に使ったタコスを考案中だとか。

新しいことに挑戦しながらも、変わらぬ懐かしい味は守り続ける…

これが長年続く人気の秘訣のようです。

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CASA TACOS 特製のタコスの皮、ミンチ、ソースはすべてが手作り。

中でも喜瀬さんが注目して欲しいと話すのは“皮”と“ソース”。

アメリカのタコスはコーン 100%のハードタイプの皮が主流ですが、

食べる時に中身がポロポロとこぼれてしまうのが難点。

その部分を改良し、柔らかさを残した特製の皮は、具材をしっかり包み込みます。

もっちりした食感で、表面はパリパリ、香ばしい香りがたまりません。

今では沖縄県外からもこの皮の作り方を教わりに来るタコス職人がいるほどです。

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さらにトマト、リンゴ、アボカドなどの数種類の果物や野菜を混ぜ込んで作った

秘伝のソースがタコスのおいしさを一層引き立てます。

辛過ぎず甘過ぎず、素材の味を生かしたソース。

日本人に馴染みやすい味に仕上がっています。

タコスはもちろん、ブリートやハンバーガー、パスタにもぴったりです。

たっぷりかけてどうぞ!

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もう一つの人気商品「ステーキサンド」。

薄切り牛肉とタマネギ、ピーマンの肉野菜炒めとスライスチーズが 2 枚挟まれた、

直径約 20cm のビッグサイズ!

ずっしりと重く食べ応え抜群です。

和風に近い味付けの肉野菜炒めとチーズの愛称が良く、どんどんと食が進みます。

シェアして食べるのも良いですが、独り占めして思い切りかぶりつくのもオススメです。

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彼もまたこの店のタコスに魅了された一人。

CASA TACOS のファンは日々増えています。

大きくなったらこの味が恋しくなって、

またここに来てくれるかもしれませんね。

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ふとテーブルに視線を落とすと、

名前や日付、メッセージがたくさん刻まれていました。

かなりの年代物のようですが、

このテーブルを交換せずに、ずっと使い続けている喜瀬さん。

「若い子たちのイタズラだけど、

またここに戻ってきた時に自分の名前見つけたら嬉しいでしょ」と微笑みます。

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変わらぬ味と空間でいつも待ってくれている、訪れる人の思い出も大切にしてくれる。

CASA TACOS はその名の通り “家”のように温かな場所。

この味とこの場所に会いに、また戻ってきたくなる、そんなタコスの専門店に、

ぜひ一度足を運んでみて下さい。

世代と国境を超えて愛されるタコス専門店 CASA TACOS(カーサタコス)

CASA TACOS(カーサタコス)

所在地/うるま市天願 1462

電話/098-972-6022

営業時間/10:30~22:30

定休日/水曜

掲載日 2016年10月28日