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両サイドを海に囲まれた全長4.7kmの“海中道路”を渡った先には

平安座島(へんざじま)、浜比嘉島、宮城島、伊計島の4つの島々が存在します。

これらの島しょ地域には豊かな自然、昔ながらの琉球家屋が今なお残っています。

その浜比嘉島と伊計島の二島を丸ごと会場にした「島のクラフトピクニック」が

11月26日(土)・27日(日)の二日間開催されました。

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島を巡って、色んな作家さんのクラフト作品が楽しめるこのイベントは、

どのような想いから企画されたのでしょうか。

一般社団法人 プロモーションうるまの眞榮里良人(まえざとよしひと)さんは、

“100年後のうるまを創る”をコンセプトに

過疎化が進むうるま市の島しょ地域の活性化を目指して活動しています。

「ピクニック感覚で島を巡り、島を流れる風や波の音、

原風景を楽しみながら、島の価値を再認識してほしい。

貴重な古民家を活用させてもらうために島民の意見を尊重し

誰もが楽しめる企画となるように努めました」

と地域への想い、発展にかける情熱を語ってくれました。

さて、どんなイベントなのでしょうか…ちょっと島へ行ってみましょう。

まずは浜比嘉大橋を渡って浜比嘉島へLet’Go!!

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旧浜中学校のグラウンドには30組以上の作家が出店し軒を連ねていました。

そこには、陶器、ガラス、木工、アクセサリーなど

オリジナリティーあふれる作品の数々が。

秋空の下、心地よい日差しを浴びながら温もりあるクラフト作品を鑑賞してみましょう。

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「Stained glass 温・ぬくりよ~」は読谷村から参加。

ライトグリーン、オレンジ、ブルーなど色鮮やかなガラスを使った雑貨。

「島の雰囲気が好きで、島でのイベントにはいつも積極的に参加していますが

出店すると他の作家さんの作品を見て回れないのが残念」

と笑いながら話してくれました。

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うるま市・赤道で活動する工房「ことりの」。

水玉模様を基調としたポップでかわいらしい器はうるま市内のカフェはもちろん、

沖縄県外でも人気です。

まるで絵本の世界にでてきそうな可愛らしい器。

2日目の27日はあいにくの雨模様。

この日は伊計島でクラフトピクニックを体験しました。

伊計島では空き家や空き地、施設を利用した展示が行われていました。

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しっとりと降る雨が集落をぬらし、より落ち着いた佇まいの雰囲気を演出していました。

傘にあたる雨音を聴きながらの島巡りもいいかもしれませんね。

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第1回うるま市景観賞 建築物・まちなみ部門を受賞した

歴史的琉球家屋「平 本家(たいらほんけ)」の敷地内では、

うるま市・兼箇段(かねかだん)で活動する「十九三窯(とくさんがま)」の陶器を展示。

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若い世代が焼き物に親しみを持てるようにと

明るい色合いのシーサーや器を中心に手掛ける徳尾聡さん。

移り住んで12年となるうるま市を盛り上げたいという想いで、

地域のイベントや行事には積極的に参加しています。

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伊計島共同施設「伊計島老人憩いの家」。

作品の展示販売のほかに沖縄の伝統工芸の紅型(びんがた)体験染めコーナーが設置されていました。

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子供たちが世界に一つだけの作品を制作中。

鮮やかな紅型特有の色彩を想うままに染めていきます。

筆を握る真剣な表情も、作品が完成すると達成感に満ちた笑顔へ。

あれ? あちらでは、白壁を紅型とはまた違った色合いが覆っています。

近付いてみましょう…。

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その白壁には、

絵本作家savaさんによって描かれた色とりどりの壁掛け時計が展示されていました。

savaさんは、琉球王朝から軽便鉄道が走っていた時代までの流れを

絵巻風に可愛く表現した絵本など、

カラフルでわかりやすく描き換える絵本作家です。

「お客さんと直接話をしたり、出逢いの場となるからと参加しました」

作品のように明るいsavaさんと来場者の笑い声が響き、

外の雨など忘れてしまうほど会場内は賑やかな空気に包まれていました。

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歩いてばかりいたので、この辺でちょっと休憩。

島の古民家でのんびりと時間を過ごしていたのは、

那覇市からお越しの水澤さん。

「イチハナリアートなど、うるま市で開催されるイベントには何度も足を運んでいます。

陶器や工芸など古いものには距離を感じるが、このイベントでは身近に感じられた」

とクラフトピクニックを満喫している様子。

さぁ、休息を終えたらクラフトピクニック再開です!

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名護市に工房を構える「ENTRO glass studio」の

吹きガラス作家・比嘉奈津子さんによって創りだされた繊細できらめく作品の数々が並んでいました。

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比嘉さんは2015年の沖展で“工芸部門ガラスうるま市長賞”を受賞するなど

その腕前はお墨付き!

普段はカラフルな作品が多いそうですが、

今回は、古民家と溶け込むようにあえて色をつけずに透明感を意識したクリアな作品を制作。

各イベントや会場によって新しい作品を生み出すことをこだわりとしています。

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出店するのは作家さんばかりではありません。

この日を待ち望んでいた伊計島のおばぁ達も出店。

その名も「おばあ喫茶」!

手作りの小物入れやアクセサリーから

畑で採れた野菜の漬けもの、サーターアンダギーを販売。

「普段は人が少ない島に沢山の人が集まり、賑わっているのが嬉しい。

出逢いやユンタク(おしゃべり)を楽しみにしているさ~」

と優しい笑顔を見せてくれました。

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そんなおばぁ達とのユンタクを楽しんでいるのは那覇市在住の前川さん。

おばぁ特製のぜんざいを食べながら、

うるま市の合併前の地名や歴史について言葉を交わしていました。

気軽に話しかけてくれるおばぁ達に島の人の温かさを感じます。

浜比嘉島と伊計島をピクニック感覚で楽しめるイベントとして多くの来場者を迎えた

「島のクラフトピクニック」。

作家さんたちの独創性あふれる作品、

島の人たちの親しみやすさ、

100年後のうるま市を見据えた熱い想い…。

小さな2つの島には

まるでおもちゃ箱のように、たくさんの魅力が詰まっていました。

島のクラフトピクニック in 浜比嘉島 伊計島

所在地/沖縄県うるま市 浜比嘉島、伊計島

電話/098-923-5995(一般社団法人 プロモーションうるま)

掲載日 2016年12月9日

島の景色とクラフト作品がピクニック感覚で楽しめる「島のクラフトピクニック」