メイン

沖縄では、初日のウンケー、間のナカビ、最終日のウークイまで旧盆の三日間、“道ジュネ―”が行われます。

“道ジュネー”とは、伝統芸能のエイサーを踊りながら集落内の道を練り歩き、先祖の霊を供養するという、昔から伝承されている大切な行事。

主に、地元青年会の若者が、それぞれの地域に伝わる伝統のエイサーを披露しています。

うるま市は、伝統エイサーが息づく街としても広く知られていて、

地区ごとに、衣装や踊りの振りつけ、掛け声など個性あふれるエイサーが存在しています。

旧盆の時期、うるま市赤野にある、赤野青年会のエイサー練習と道ジュネーの様子をちょっと覗いてみました。

1

 

3

日が暮れると、練習場所となる赤野公民館の広場に、少しずつ青年会のメンバーが集まって来ます。

女性は、振り付けを一つ一つ確認しながら手踊りの練習を、

男性は、音楽に合わせながら、小さな手持ち太鼓“パーランクー”を響かせ、勇ましく踊ります。

 

4

笑顔が素敵な赤野青年会会長の座間味さん。

「赤野のエイサーは、沖縄が復帰する前から存在していて、先輩方から受け継がれています。

エイサーを踊るメンバーは高校生から25歳までで構成されていて、

皆、平日に学校や仕事が終わってから練習に参加しているんですよ」

脈々と受け継がれる伝統を支えているということへのやりがいが伝わってきます。

「エイサーが好き」というメンバーがほとんどで、

中には、幼い頃に見た赤野エイサーに憧れて、高校生になった現在、積極的にエイサーに取り組んでいるメンバーもいるそうです。

赤野エイサーは、エイサー大会などに出場する際の体形が特徴的で、

演舞場にVの字で入場し、円、十字型と、演者同士が踊りながら交差し、さまざまな形へと大胆に変化していきます。

また、赤や緑、黄色、青など鮮やかな色を取り入れた衣装も赤野エイサーらしさの一つ。

5

この日もお揃いのメンバーポロシャツで勢揃い!

メンバー同士が仲良くて、いつも和やかな雰囲気の中で練習しているそうです。

6 

旧盆初日の“ウンケー”。いよいよ、赤野青年会の出番です。

集落内にある慰霊塔で拝んだ後、エイサーがスタート。

7 

男性の大太鼓とパーランクーによる力強い踊りと、

絣の着物を身にまとった女性によるしとやかな手踊り。

8

それらを支える音楽を奏でる地謡(じかた)衆と呼ばれる唄い手たち。

三線を片手に、いくつもの沖縄民謡やエイサー節を唄い上げます。

9

広々とした公園でエイサーが始まると、

太鼓の音に誘われ、エイサーを一目見ようと周辺の家々から人々が集まって来ます。

10

しなやかで優しく踊る女踊りでは、二人の両手を合わせて、春から初夏に咲く“でいご”の花を表現。

11

小さな子どもも、エイサーの魅力に惹きつけられていました。

ジッと見つめるまなざし。大きくなったら、赤野エイサーを踊っているかもしれませんね。

12

新築の家の前でもエイサーが披露されます。

エイサーを踊ることで、その家の繁栄と無病息災を祈願するのです。

13

旧盆の間、青年会によるエイサーの音色は夜遅くまで鳴り響きます。

地元に昔から伝わるエイサーを受け継ぐ若者たち。

自分を育んだ地元で、責任感を持って伝統エイサーを継承し続けています。

9月11日(金)~13日(日)には、各地域の特色あるエイサーを一挙に観覧できる「第10回うるま市エイサーまつり」が開催。

赤野青年会をはじめ、平安名(へんな)青年会、平敷屋(へしきや)青年会など、うるま市内の各青年会がエイサー演舞を披露します。

若者たちが受け継ぐ伝統エイサーの演舞、ぜひ、会場で体感してみてはいかがでしょうか。

旧盆の夜、太鼓の音が鳴り響く。伝統のエイサーを受け継ぐ若者たち

第10回うるま市エイサーまつり

開催日時/前夜祭:9月11日(金) 18:30~21:00

     本まつり:9月12日(土)、13日(日)16:00~21:00

会場/前夜祭:安慶名交差点 ~ ろうきん具志川支店前

  メイン会場:うるま市与那城総合公園 陸上競技場

主催/うるま市エイサーまつり実行委員会

問合せ先/うるま市エイサーまつり事務局 098-978-9404