沖縄は旧暦行事が今でも大切にされている地域があります。 うるま市の中から、旧暦行事を大切に受け継いでいる 「浜比嘉島・比嘉地区の旧正月」をご紹介します。
旧暦の1月1日は「旧正月」と呼ばれ、 早朝に若水(旧暦の元旦に初めて汲む水)を井戸や泉などで汲み、 仏壇に供えるお茶を入れたり手足を清めます。 仏壇や火の神(ヒヌカン:かまど)、神棚には お米、硬貨、みかんなどがお供えをします。
「ノロ」と呼ばれる神女の方を先頭に、 住民は集落の御嶽(うたき・拝所)を巡っていきます。 そこで線香をたてて、新年の祈願をします。
比嘉の漁港では船に色とりどりの大量旗が 海の安全と豊漁を祈願として飾られています。
比嘉地区の旧正月を祝う場所は、 集落の南に位置する「シルミチュー」で行われます。 麓の鳥居や神木には正月飾りの松が飾られます。
シルミチューの拝所に、ノロと島の住民が 新年の祈願をしに入れ替わり入っていきます。 その後で祝いの舞や音が披露されます。
三線や太鼓、笛などで古典音楽が奏でられます。 演奏が終わると祝いの舞が始まり、 神聖な静かな時間から新年を祝う明るい時間へと変化していきます。
全ての踊りが終わると、曲調が変わり、明るい三線の音が会場を盛り上げ、 島の人々がかちゃーしーを踊り、正月の行事が終わっていきます。 「旧正月」は沖縄県独特の行事。 県外の正月とはひと味違う神聖で神秘的な雰囲気があります。 地域の伝統行事に触れることは「そこでしか見られない」 旅の奥深さを感じ取れるはずです。
浜比嘉島の旧正月
比嘉公民館
所在地/うるま市勝連比嘉125
電話/098-977-7227
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