うるま市の島嶼(とうしょ)地域が、いま、華やかな賑わいをみせています。

「2015イチハナリアートプロジェクト+3」。

昨年までは伊計島だけの開催でしたが、

今年は伊計島のほか、宮城島、浜比嘉島、平安座島(へんざじま)の4島が

素晴らしいアートで彩られています。

島嶼地域の中でも“一番離れた”場所にある伊計島は、“イチハナリ”と呼ばれていました。

そんな場所で開催されることから、「イチハナリアートプロジェクト」と命名。

島起こしイベントとしてスタートし、今年で4回目を迎えます。

まずは、旧伊計小中学校で「ルートガイド」をゲットして、

芸術の旅をスタートさせましょう。

と、その前に、うるま市で地域おこし協力隊として活躍し、

この「2015イチハナリアートプロジェクト+3」を担当している酒井惠美子さんに

「アートプロジェクト」のポイントを尋ねてみました。

「道に迷ったら島の人たちに作品の場所を聞いてください。

島の人たちとの触れ合いもこのイベントの魅力の1つです」。

なるほど。その言葉を胸に、今回のイメージカラーである「ブルー」の、のぼりを目印に歩みを進めていきます。

伊計島のアートで強烈なインパクトを持っていたのは、

ポイント6の「伊計レコーヂング研究所」という看板を掲げたKeng-Shingさん。

意味深にくり抜かれた2つの覗き穴から中を覗くと・・・

どこか白昼夢の世界に迷い込んだような感覚に陥ります。

ほか、三輪恭子さん(ポイント4)も伊計島の風景を優しく大切に“表現”しています。

橋を渡って宮城島(池味地区)には、「イチハナリアート」の顔ともいえる「仔豚」さんたちが。

民家の中や庭先の至る所にかわいく彩色された仔豚が遊んでいます。
昨年伊計島の子供たちが色付けした仔豚も加わり、

仲間が増えたせいか、どこか楽しそう。

たまに、本物の猫が紛れ込んでいることもあるので、目を凝らしてみてください。

宮城島はこのほか、上原&宮城地区にIAC(イチハナリアートコレクション。過去の展示作品)の日時計、

今回最も大きい作品となった日比康人氏の“樹”と石のアートが展示されています。

浜比嘉島では舞台演出家の市原幹也氏(ポイント22)の「LOG BOOK(ログブック)」に注目。

7人の方が過去に自分の足で歩いたポイントを“イラスト地図(航海日誌)”に起こし、

それを頼りに島を巡ると、その人の足跡の追体験ができます。

イラスト地図自体も個性的で、見ているだけでも楽しくなってしまいます。

はて、ここまで「イチハナリアート」の一番の顔ともいえる、

御歳85歳の東江(あがりえ)ツルおばぁが見当たりません。

今年はメイン会場の伊計島小中学校からある場所へ“出張”していますので、見つけてみてくださいね。

ここまで歩いてきて一番思うことは、感じる力が敏感になっているという点。

散策しながら巡る、島々の何気ない路地や民家、人々の佇まい、

そして、民家の子供の落書きや、ちょっとした小物がアートに見えてしまう“感覚”。

夕方になると涼しい風が吹き抜ける島で、自分だけのアートが見つけられる

「イチハナリアートプロジェクト+3」。これもまた、このイベントが私たちを惹きつける理由なのでしょう。

「イチハナリアートプロジェクト+3」は9月27日(日)まで開催されています。

また、9月19日(土)から9月23日(水)までは、伊計小中学校で、

こちらも4回目となる「暮らしにアート in 伊計島4 ~手しごと直売所~」が同時開催されます。

風景とアート、そして人々とのふれあい。

「アートを巡る小さな旅」を存分にお楽しみください。

風が抜ける島で、自分だけのアートを見つける 「イチハナリアートプロジェクト+3」の旅

「イチハナリアートプロジェクト+3」

所在地/うるま市内離島4島:伊計島、宮城島、浜比嘉島、平安座島

電話/098-978-0077(うるま市観光物産協会)