春の暖かさが冬を追いやりはじめ、季節の移り変わりを感じる今日この頃。

この時期は出逢いや別れ、新生活のスタートなど

人生の節目を迎える人も多いでしょう。

あの人へのプレゼント…

自分への春財布(張る財布)…

“餞(はなむけ)の一品”として、職人仕立ての革製品はいかがでしょうか。

うるま市宮里にある革細工専門店「JAYLLY COKE」。

店内にはうっとりするほど、上品な革の香りが漂います。

財布や名刺入れ、ペンケースなど20種類強の革製品が並び、

長い付き合いとなるパートナーの来店を待ち望んでいます。

サンバーストカラーの財布は濃淡のコントラストが楽しく、

長く使うほどにその人の色、形に染まっていきます。

味のある作品を生み出すのに欠かせないのがこのミシン。

50年以上前のもので、メンテナンスなど手を加えながら使い続けています。

高齢ながらいまだに現役の働き者!!

店主の東倖田(ひがしこうた)さんは、

学生時代に自身の洋服をカスタムしたことがきっかけで

この世界に興味を持ったとのこと。

独学で殆どのことを学びましたが、「お客様に良い商品を届けたい」との想いで上京し、

10年間修業を積んだという職人。

そして東さんの地元・うるま市の、静かながらも時には小学生の笑い声が聞こえる

この地を、自身のお店を構える場所として選んだそうです。

全ての製作工程を1人でこなす東さん。

「革は生き物で一つとして同じものはない。

思い描いた形に仕上がると充実感がある」と語ってくれました。

1枚の革が、趣のあるミシンと東さんの愛情という糸で形を変えていくのですね。

女性向けにはこんなカラフルなキーケースも。

高校の卒業記念として父母会の人が気に入り、

進学や社会への旅立ちを記念して贈られたこともあるそうです。

自分の名前が刻印されたキーケース…

自分自身が「鍵」となり、新たな扉を開いていくのでしょう。

名前の他にもハートやクローバーなど、お好みの模様にアレンジできます。

世界に一つだけのオリジナルを東さんにお願いできるのも小さな工房ならでは。

棚に眠るのは沢山の革。牛、豚、羊、ヤギ、ヘビと種類もさまざまで

新しい姿へと生まれ変わるその時を待っています。

中には自身で革製品を製作されるお客さまもいらっしゃるそうです。

そのために革や金具もさまざま取り揃えられています。

作業中は真剣な表情で1枚の革と向き合う東さん。

一見、寡黙な革職人に思えますが、

のんびりとした優しい口調で商品の説明をしてくれます。

話すうちにおちゃめな一面も見えたり。

そんな人柄の良さを知ってか、裏のおばあちゃんが漬物を届けに来たり、

向いの小学校の児童が電話を借りにくるなど、

小さな小屋のお兄さんとして親しまれています。

そんな地域に愛される革職人が生んだ、温もりある革細工。

自分自身の新しい一歩のために、

そして、親しい人の門出を祝って贈ってみるのもいいのではないでしょうか。

小さな工房の職人の手が生みだす革細工 JAYLLY COKE

革細工専門店 JAYLLY COKE

所在地/うるま市宮里868-1

電話/098-989-5488

営業時間/11:00~20:00

定休日/不定休

http://jayllycoke.ti-da.net