うるま市の石川嘉手苅(かでかる)にある神村酒造(かみむらしゅぞう)。敷地へ入ると見事な蔵が、まず目に入ってきます。

蔵の中に入ってみると木樽が積まれています。
ここで、泡盛が生まれ、この樽に詰められて古酒(クースー)へと育っていきます。
神村酒造では、ガラス張りの酒造を眺めるのではなく、実際に蔵の中に入り、
麹の発酵工程などありのままの工場見学が出来ます。
発酵したフレッシュな香りに包まれながら、スタッフから丁寧に泡盛が出来るまでのお話しを聞いていると、
自然と味わいたくなる気持ちがわき上がってきます。

蔵から販売所へと移動し階下へ案内され、中へ入るとそこには一面、酒瓶がずらりと並んでいます。
訪れた客が、泡盛を入れた瓶に写真と5年後、10年後の自分や家族に向けてのメッセージを添えて、
蔵に預けて保管する「預かり古酒」。5年後、もしくは10年後の時期が訪れると指定の場所へ発送されます。
家でも寝かすことは出来るそうですが、我慢出来ずに飲んでしまいそうになる人も少なくないとか。
そして5年後の自分が受け取る楽しみが大きいので、多くの人は預けます。

蔵の中にはクラシック音楽が静かに流れています。音によって味わいが変化するそうです。
心のこもっていない言葉をかけ続けると結晶の形がぼんやりとし、
良い音や音楽を聴かせると泡盛の結晶が美しくなるそうです。
そんな、細やかな部分まで味わいにこだわる酒造です。

神村酒造の二つの主力商品は「守禮」と「暖流」です。守禮は神村酒造の創業以来から守り続けた伝統的な味わいの泡盛。
味わい深い老麹や時間をかけて醸すモロミ造りで出来上がる一品。
暖流はバーボンウイスキーを貯蔵していた「オーク樽」に貯蔵します。
3年熟成させることで琥珀色の透明な泡盛が出来上がります。
独自にブレンドすることでコクがありつつバランスのとれた味わいになっていきます。

昔からの味にこだわり続けて丁寧に造りあげ、寝かす音にも真心込めた心配りをしています。
封をあければ、古から伝わる老舗の歴史が味わえます。
そして、販売所に飾られたお客からの感謝のメッセージや、預かり古酒の一つひとつの瓶に込められた希望溢れるメッセージに、
自然と心が癒される場所でもあるのです。
未来の自分や家族、友人へとっておきの一本、預けてみるのも旅の素敵な思い出ですね。

希望溢れる未来へのとっておきの古酒 神村酒造

神村酒造

所在地/うるま市石川嘉手苅570

電話/0120-841-628(酒造見学:要予約)

営業時間/10:00~17:00

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