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沖縄屈指の名城として広く知られている世界遺産・勝連城跡。

実は、そのふもとに、

沖縄料理とアジア料理の両方が味わえるお店があるのをご存知ですか?

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多くの人で賑わっている勝連城跡の入り口とは異なり、

緑深い丘の上に幾重にも積まれている石灰岩が、

雄々しさを感じさせてくれる勝連城跡の“裏”の姿。

喧騒を離れた静かなこの場所に「ももと庵」があります。

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月桃や鮮やかな花々に囲まれた

赤い屋根と白い壁の小さなお家のような佇まい。

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扉を開くと…

そこは、まるでアジアのリゾート地にたどり着いたような雰囲気。

太平洋や知念半島を望む大きな窓から、

優しい陽の光が差し込んで穏やかな空間。

そんなお店でいただく料理は、

店主の愛情とアイデアがたっぷりです。

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沖縄でも珍しい「牛すじ沖縄そば」。

自家製油味噌がのった島豆腐と漬物を添えて。

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ソーキや三枚肉が定番の沖縄そばですが、

ももと庵では、長時間煮込んで柔らかく仕上げた牛すじをトッピング。

しっかりと味を染み込ませた牛すじともちもちの麺を、

あっさりスープと絡めていただきます。

ひと手間かけたぷるっぷるで柔らかい牛すじは、

口の中ですぐにとろけてしまうほど。

続いて、ももと庵自慢のスイーツをご紹介。

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アジア広域で、料理によく使用されているココナッツミルクを、

バゲットにたっぷり含ませた「アジアンフレンチトースト」。

添えられているレモンを軽くかけると、

ココナッツミルクと柑橘系の香りがフワッと広がり、

しっとりとした甘さから、さっぱりとした味に変化します。

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スイーツのお供にベトナム式コーヒー「カフェサイゴン」はいかがでしょう。

ベトナムで購入したコーヒーフィルターに、

通常よりも2倍以上濃いコーヒーを淹れ、じっくりとドリップ。

ドリップ後のコーヒーは濃厚なので、

そのまま飲むのではなく、

ブラックだとお湯や水で、好みの濃さに調整。

甘めが好きな方は、

ドリップしたコーヒーとコップの下にある練乳をよく混ぜて、

氷入りコップに移し替えていただきます。

抽出されるまで時間がかかるので、

本を読みながら、景色を見ながら…慌てず、

ゆっくり落ち着いて待つのがポイントです。

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「景色も素晴らしいこの地域を、もっと明るく活性化したい」という想いで

勝連城跡の裏にお店を構えた、店長の小山恭子さん。

初めてのお客さんでも、すぐに打ち解けられるほど明るくて元気な方です。

この周辺地域は、

かつて、琉球王朝時代にアジアへの海外貿易で繁栄をもたらした、

勝連城10代目城主・阿麻和利(あまわり)のお膝元。

店名「ももと庵」の“ももと”は、

その阿麻和利に嫁いだ、琉球国王・尚泰久(しょうたいきゅう)の娘、

百十踏揚(ももとふみあがり)の名前が由来だそう。

「窓の向こうに見える海は、

きっと、当時、アジアへ向かう貿易船でにぎわっていたことでしょう。

琉球人は、アジア各国でその土地の料理を食べていたはず…。

だから、交易が盛んだったアジアと沖縄の料理、両方を提供しています。

ぜひ、阿麻和利のロマンを感じながら、ゆっくりと料理を味わってほしい」

と小山さんは笑顔で語ります。

幾度となく東南アジアを訪れている小山さんは、

ラオス、タイ、南インド、シンガポールなど、

現地で食した本場の味にアレンジを加え、

“おいしいアジア”をテーマに、日本人でも食べやすいアジア料理の提供を心がけています。

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アジアのリゾートのような店内は、

スタッフの皆さんと一緒に造り上げました。

窓に備え付けられている白とブルーの木枠は、

シンガポールの旧建築様式でよく使われているものを参考に。

また、壁には、小山さんが訪れたアジアの国々の日常風景を写した写真、

ラベンダーなどで手作りしたリースが飾られています。

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よく晴れた日、

窓の向こうには、コバルトブルーの海と対岸の知念半島まで視界が広がります。

アジア貿易で財を成し、

地域に繁栄をもたらした阿麻和利。

その居城跡・勝連城跡ふもとで、

琉球の歴史ロマンに想いを馳せながら、過ごしてみませんか。

琉球ロマンに想いを馳せて…勝連城跡のふもとで味わう沖縄とアジア ももと庵

ももと庵

所在地/沖縄県うるま市勝連南風原3211-7

電話/098-923-0725

営業時間/11:00~17:00(L.O)

定休日/水曜日

http://www.bansyo.co.jp/

掲載日 2017年2月10日