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年間を通して暖かく、独自の自然と文化に育まれた沖縄県。

その中でもうるま市は、

世界遺産・勝連城跡や、海を割くように島しょ地域へ続く海中道路、

闘牛やエイサーなどの伝統文化も盛んで、ひときわ地域の特色を感じる場所です。

そんなうるま市に魅力を感じるのは県外や海外の方も同じ…。

中にはその文化や習慣に魅了され、

沖縄を生活の拠点として、新たな人生のスタートを切る人も。

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うるま市・石川曙にあるNIWA CAFE。

こちらのオーナー・庭野真さんも沖縄に、うるま市に魅了された一人です。

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庭野さんが一家でうるま市に移り住んだのは、今から3年前。

地元・新潟から先に移住していた、ご両親を訪ねた事がきっかけでした。

新潟の中でも屈指の豪雪地帯に暮らしていたご両親は、

冬になると、数メートル積もる雪の中での生活に不自由を感じ、移住を決意。

雪が無く暖かな沖縄で一足先に第2の人生をスタートさせていました。

当時、怪我で長期療養中だった庭野さん。

2、3カ月の滞在と気軽な気持ちで、沖縄で暮らすご両親を訪ねました。

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滞在中に出会った人々や、地元の人と触れ合い、

沖縄に流れる、ゆったりとした独特な時間を過ごすにつれて、

「沖縄に住んでみるのもいいかな?」と考えるようになったそうです。

さらに、ご両親が飲食店を経営していたことや、

自身が都内でイタリアンレストランに勤務していたこと、

そして、“自分のお店を持ちたい”と、頭の片隅にあった想いが、沖縄での生活と重なり、

NIWA CAFEをオープンするまでに至りました。

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外人住宅を改装してカフェにしたいと考え、北谷町や沖縄市など、

県内のいたる所を探し続けました。

そして、たどり着いたのは、ここ、うるま市。

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「海の見える小高い丘にあり、吹き抜ける潮風が気持ち良く、

見たその日に、この場所でオープンしようと決めました。

市街地から少し離れた場所にあって、お客さんもお店探しにワクワクするし、

そこまでして食べに来てくれるとこっちも嬉しい」

この場所との巡り合いが、“人を繋ぐ”NIWA CAFEの始まりです。

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お客さんとは一度きりの関係ではなく、気軽に何度でも来てもらえるように、

お客さんとお店の、かしこまった“ワク”を外した、

友人のような関係性作りを心掛けています。

庭野さんの気さくな人柄に惹かれ、常連になったお客さんも多く、

今では大勢の仲間が集うカフェとなっています。

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オーナーとなりオープンして3年が経ちましたが、

当初は戸惑うことも…。

店の食材やインテリア雑貨など、海に囲まれた沖縄では、

東京のように、欲しい物がすぐに手に入るとは限りません。

以前、勤めていたレストランは東京・表参道にあり、

常に人通りが多く、建物や看板がひしめき合う場所でした。

「東京は物やお店が多くて、何でも手に入るので、ここでの買い物は不便を感じることも

ありますがその反面、豊かな自然や人の温かさを感じます。そこは都会に無い魅力です」

うるま市に暮らすことで、初めて見えてくる景色は

暮らす人のみぞ知る特別な経験のようです。

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現在は、絵に描いたような青い海を見下ろし、

窓の外から聞こえる野鳥の鳴き声をBGMとする生活。

何も無いようで、都会にはないモノがある。

この地だけのモノの発見が、一つのアイテムとして日々の暮らしを彩ってくれています。

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休日も、常連さんやこれから出会うお客さんのために、

仕込み作業や、メニューの撮影などをして過ごすことがほとんど。

「休日はあるけど無いようなものですね」

と、楽しげな笑顔。

新たな出会いに向けて、今日もワクワクと胸を躍らせています。

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忙しい中でも、お子さんとのコミュニケーションは必要不可欠。

近くの公園で、のんびりとお弁当を食べたり、

自転車やスケートボードで汗を流したり。

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「海も山も近く、自然豊かで、遊び場は沢山あります。

お金をかけずに遊べるのも良いですよね(笑)」

と、うるま市での“遊びの心得”を習得済み。

地元・新潟では、冬の除雪作業に大変苦労するそうですが、

温暖な気候の沖縄ではその心配も無く、

冬でも、外でアクティブに過ごせる事も魅力のひとつだとか。

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さらに、類は友を呼び、庭野さんの周囲には

出会いや繋がりを大切にする、同じ気持ちを持つ仲間が集います。

そんな中で微笑ましいエピソードも…。

ある日、友人が三匹の捨て犬を拾ってきました。

飼い主が決まらず、どうするか仲間と話し合い、皆で出した答えは

NIWA CAFEを里親募集の会場にすること。

お客さんに子犬を見てもらい、ここが出会いの場となればと考えました。

NIWA CAFEに足を運ぶお客さんも一期一会を大切にしています。

出会いを大切にするカフェで、新しい家族を心待ちにしていた子犬達は、

めでたく新たな飼い主に恵まれ、それぞれ旅立ったそうです。

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「東京は見たい、食べたい、買いたいものに溢れています。

物との繋がりは便利ですが、ここでは人との繋がりや、距離を近く感じられる。

お金では買うことができない、充実した時間を過ごすことができます」

うるま市での生活は、東京に比べると決して便利ではないかもしれません。

ですが、この環境でこそ、ゆいまーる(助け合い)精神が生まれ、

人の結びつきを強くします。

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建築物が立ち並び大勢の人が行き交う都会にあるもの、

“豊かな自然に囲まれ、いつも近くに誰かがいる”この場所にあるもの。

庭野さん一家はうるま市で、この場所ならではの魅力を見付け

家族とたくさんのお客さんと

都会では過ごすことのできない特別な時間を過ごしています。

あなたがうるま市を訪れ、感じる魅力はなんでしょうか。

実際に足を運び、都会にはない、うるま市ならではの魅力を見付けてみませんか?

東京からうるま市に移住し、夢のカフェをオープン。暮らして見えた、ここにしかないもの

撮影協力/NIWA CAFE

掲載日 2017年2月24日