平安座島(へんざじま)、宮城島の先にある伊計島は、

“一番離れている島”という意味で“イチハナリ”と呼ばれています。

そんな“イチハナリ”の島に、黄金色をした糖度の高い芋「黄金芋(おうごんいも)」が

栽培されていると聞き、早速、その収穫の様子を覗いてきました。

島の奥へ進んでいくと、視界いっぱいに広がる田園風景が!

平坦な土地が広がるここ伊計島は、日照時間が長く、

黄金芋の栽培には適しているそうです。

一心に畑に鍬を入れているのは、黄金芋農家の村田倫弥さん。

8月に種付けをして、収穫時期を迎えた黄金芋を慎重に掘り起こします。

収穫の目安は、青々としている葉っぱが少し色あせた頃。

種付けしてから、夏場だと4~5ヶ月、冬場だと5~6ヶ月の間、

黄金芋は土の中で成長しながら収穫の時を待つのです。

まずは、芋を傷つけないように両サイドを丁寧に深く掘り、

芋の姿が現れたら、一気に全体を掘り起こします。

村田さんが、ご両親とともに丹精込めて栽培した黄金芋。

その姿は、さつまいものようですが、中身は、見事な黄金色に輝いています!

「土作りが一番大事」と笑う村田さん。笑顔から人柄が偲ばれます。

以前は、東京でサラリーマン生活を送っていたのですが、

黄金芋に魅せられたご両親が、

4年前にお母さんの故郷・うるま市で黄金芋作りを始めたのをきっかけに、

半年間の滞在予定でここ伊計島を訪れました。

その予定が、今では移住しておよそ2年に!

「黄金芋作りで大変なことは害虫対策。

沖縄独自の害虫がいて、その害虫が茎や土の中から黄金芋を食べ尽くすのです。

梅雨の時期に雨が少ないと被害が増えるのでとても大変…」

 

大事に…大事に…

手がかかるからこそ、愛おしくなります。

「ウチの畑では、化学肥料を使っていません。土作りにこだわると、

その分、さらに甘みが増した美味しい黄金芋ができるんです。

“沖縄といったら黄金芋”と言われるように誰もが知る芋に育てたい」

すっかり黄金芋の農家らしく、黄金芋の未来像を胸に秘めている村田さん。

糖度20~22度にもなるという黄金芋。

その芋の味を、多くの人に味わってもらいたいと、

村田さんファミリーは、うるま市内に「黄金茶屋」を開きました。

2014年の夏にオープンしたこの店では、

黄金芋をふんだんに使った気軽に食べられる逸品を提供。

黄金芋をペーストして包んだ「こがねチャンまんじゅー」

黄金芋本来の甘みが味わえる、黄金茶屋の看板メニューです。

中身は、黄金芋ならではの濃い黄金色!

芋の旨みが口の中に広がります。食べやすいのでつい何個でもいけちゃう!

ジャガイモと黄金芋の千切りで鶏肉を束ねた「みのむし揚げ」は、

村田家で、誕生会やクリスマスなど特別な日の食卓に登場した家族の味。

さっぱりとした味付けにカリッカリの食感がクセになりそう。

この、みのむし揚げに、少しだけ塩をかけて食べるのがオススメ!

黄金芋のスムージーは、黄金芋のペーストに、ヨーグルトと北海道産100%の大豆、

沖縄県産のキビ糖をミックスした、倫弥さんが開発した自慢の一品。

甘い黄金芋とヨーグルトのさっぱり感がナイスマッチ!

特に、暑い日に欲しくなりそうです。

「自分の子どもたちに食べさせるつもりで、保存料を使っていません」と、

どの商品も食材ひとつひとつにこだわりを持っています。

黄金芋の農家・村田さんファミリーが営む「黄金茶屋」には、

ほかにも黄金芋の焼き芋に黄金芋のコロッケ、黄金芋のプリンなどが並びます。

黄金色に輝く黄金芋。うるまの旬の味を是非ご堪能ください。

イチハナリの土の下、黄金色に輝く芋に出逢う

所在地/沖縄県うるま市与那城照間1860-1

電話/080-9242-9604(営業時間のみ対応)

定休日/月、火、水

営業時間/11:00-17:00

http://www.ougonchaya.com/

※テイクアウト専門店