
「闘牛」と聞いて、どんなイメージを抱くでしょうか。
沖縄は闘牛を娯楽の「文化」としてしっかりと受け継ぎ、一時はテレビ中継もされるほど、
大衆娯楽として定着してきました。
特にうるま市は「闘牛のまち」として知られ、今なおその伝統を守っています。

撮影:久高幸枝
勇猛果敢な牛たちの立ち合いを楽しむ男たちの嗜みと思われてきた「闘牛」ですが、
最近では、闘牛会場に訪れる層に変化が起きているようです。
地域の人々や古くからの闘牛ファンで溢れていた会場に、
最近、若い女性の姿が増え始めています。
さらに、子連れのファミリーや外国人の姿も多く見られ、
今までとは違う“闘牛ブーム”が起こっています。

そのブームの火付け役になったのが、久高幸枝(くだか ゆきえ)さん。
何代にもわたるウシカラヤー(牛飼い)の家に生まれ、
物心ついたときから牛と共に暮らしてきました。

やんちゃだったり、平和的な性格だったりと、一頭一頭性格が違うのに、
一歩、闘牛場に足を踏み入れるやいなや、
闘争本能をむき出しにして、相手と対峙する牛たち。

自分が手塩にかけて育てた闘牛の姿を残したい、
と久高さんがカメラを手にしたのが、実に小学5年生の頃。
それから、さまざまな闘牛と、全身全霊を牛に注ぐ人々を収め続け、
その熱い姿に共感した編集者の思いも加わり、
2013年に「写真集 闘牛女子。」(ボーダーインク出版)を出版するに至りました。
(現在は「写真集 闘牛女子。2」も発売中)

撮影:久高幸枝
牛と共に生き、牛のことを理解している彼女が撮る写真は、
生々しくも躍動感に溢れ、血気盛んな表情や猛々しい息遣いまでもが見えるよう。
「牛が本来持って生まれた闘争心をあらわに、生き物としての本能を全うしている姿が、ありのままにそこにある」
そんなところに久高さんは魅了されたそうです。

撮影:久高幸枝
その魅力をより体感できるのは、やはり写真ではなく、闘牛場の観客席。
そこでは、牛たちの激しい息遣い、歩み、
腹の底から漏れ出るうなり声、表情がまざまざと見え、
久高さんも「緊張感や興奮を身体で体感できるので、実際に間近で見てほしい」と、
闘牛場での観戦をオススメしてくれました。

闘牛初心者にオススメのベストポジションを聞いたところ、
「牛が入場してくるゲートの真正面の席」とのこと。
「入場してくる牛たちの歩みや態度、高ぶって意気揚々としている表情もよく見えますよ」と、
ポイントも教えていただきました。
毎年 10 月第 3 週の週末に開催されるうるま祭りでは、闘牛大会が無料で観覧できます。
うるま市では、それ以外にも闘牛大会が開催されているので、
タイミングが合えば、ぜひ観光メニューとして体験してみませんか。
これで、あなたも闘牛女子&闘牛男子の仲間入りです!
“闘牛女子”で変わる沖縄の伝統闘牛
石川多目的ドーム
沖縄県うるま市石川2298-1
久高幸枝facebook
掲載日 2017年10月13日