闘牛3

年間を通して数多くの闘牛大会が開催されているうるま市。

飼育されている闘牛数、牛舎の数は県内でもダントツ1位。

大会では、全国各地からたくさんの人が見物に訪れるほど、

国内屈指の“闘牛の街”です。

そんなうるま市で、最近“闘牛ふれあい体験”が

観光客を中心に話題を呼んでいるとか…。

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白熱の争いを繰り広げる闘牛場では、けっして見ることができない

“闘牛たちの私生活”が覗けるようです。

どんな体験なのでしょうか、行ってみましょう!

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まず訪れたのは、

うるま市勝連平敷屋(かつれんへしきや)にある「雷神勇志会」。

さっそく、体重1トンに近い「雷神八千草」がお出迎え。

驚くのはその巨体。

全体的な大きさはもちろんのこと、

顔、角、蹄、一つ一つがとにかく大きい!

その迫力に圧倒されて近づけずにいると…

「やさしいから大丈夫よ〜」と調教師の上原さんが

そばへと連れて来てくれました。

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黒光りするツヤツヤの毛並み、長いまつげとつぶらな瞳、

そして、穏やかな表情。

普段、闘牛場で見る姿とは全く異なります。

さてここで、雷神八千草のブラッシングを体験。

専用のブラシを使って背中やお腹をゴシゴシ…。

牛は皮膚が厚いため強過ぎるくらい

しっかり力を入れてブラッシングをしてあげます。

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その後は、トレーニングの一つでもある角合わせを見学。

巨体同士がぶつかり合う様子は、まるで闘牛場さながら。

頭と角がぶつかる鈍い音が響き、少し痛そう…。

「雷神八千草は全然本気じゃないから大丈夫。

相手(右)がまだ2歳の子供だから手加減しているんだよ」 と上原さん。

大人の八千草が受け身になりドシッと構えているのだとか。

牛舎の中をはどうなっているのでしょうか。

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室内は、ゴミ一つ落ちておらずとにかく清潔で、臭いも全く気になりません。

牛の夏バテを防ぐために風通しの良さも配慮されています。

環境の良さは、まさにトップクラス!

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「普段の生活環境が試合に大きく影響するので、

牛のストレスを防ぐために細心の注意を払っています」

と牛舎代表の大城さんは話します。

さまざまな大会でチャンピオンを輩出している「雷神勇志会」。

強さの秘訣と愛情の形を垣間見ることができました。

続いて訪れたのは、

闘牛実況アナウンサー・伊波大志さんの牛舎「貴花グループ」。

うるま市石川東恩納(ひがしおんな)にあり、全5頭を飼育しています。

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牛舎では、牛たちがサトウキビの葉を食べている最中。

固い茎をバキバキと音を立てながら勢い良く食べる姿は圧巻!

食欲旺盛で1日40〜50kgの葉をたいらげるとか。

牛たちは甘いサトウキビが大好物。

甘みが強い茎から先に食べる牛、おいしい部分を残して後から食べる牛、

それぞれの食べ方は三種三様。

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年間の闘牛大会でも「貴花グループ」と「雷神勇志会」は出場頭数がとても多く、対戦することも多いそうです。

中でもこの、“大志パンダ☆さくら”は期待の星だとか

伊波さんの名前が付いていて、可愛さも一塩のようです。

「闘牛はどんなエサを食べているのか、どんな場所で生活しているのか、

また、闘牛場では見られない優しい表情を、

闘牛ふれあい体験では見て感じて欲しい」と伊波さんは語ります。

食事の後は、日課である散歩へ。

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散歩コースを熟知しているという大志パンダ★さくら。

自分でどんどんと前へ進みます。

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ふと立ち止まったので、あれ、疲れたのかな?と思いきや、

実は、ここは散歩中に必ずブラッシングしてもらえる場所なのだとか。

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車道をのんびり進みながら、

カッポカッポと心地よいヒヅメの音が住宅地に響きます。

これぞ、闘牛の街ならではの日常風景。

最後は、鮮やかな龍の絵が目印の「大城ファミリー」の牛舎へ。

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ここでは、親子3代、家族ぐるみで闘牛を飼育しています。

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娘の舞子さんは、幼い頃から闘牛が身近にいて

牛のトレーニングや散歩が日課だったとか。

現在、うるま市でも珍しい女性の調教師です。

見事な手綱さばきで大きな牛を誘導する姿が凛々しくてカッコイイ!

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孫の一華ちゃんも毎日のように牛舎に遊びに来ているので、

「全然こわくないよ!」と物怖じすることなく、手綱を握ります。

闘牛を未来へ引き継ぐ…とても頼もしい姿。

「大城ファミリー」の牛舎では、

世代を超えて、家族みんなで牛たちに愛情を注いでいました。

今回、3ヶ所の牛舎を巡りましたが、

共通して感じたのは“人と牛との信頼関係”でした。

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仕事の傍らで、牛の世話をしている方々がほとんど。

散歩、エサやり、牛舎の掃除、すべてが重労働。

ですが、“愛情をたくさんかければ試合で結果を出してくれる”

“優勝は最高の喜びだが、毎回勝敗に関わらずやりきった感がある”

とみなさん口を揃えます。

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闘牛たちの私生活を覗く“闘牛ふれあい体験”。いかがでしたか?

散歩、エサやり、ブラッシングの貴重な体験と、

牛たちの穏やかで優しい表情、愉快な行動には終始目が離せませんでした。

伝統文化を守り続ける人々の情熱にもふれ、

闘牛と人とが共存する、いつまでも大切にして行きたい風景にも出会えます。

知れば知るほど闘牛を身近に感じられる、うるま市ならではの旅。

ぜひ一度出掛けてみて下さい。

白熱の闘いを魅せる闘牛たちの素顔に出会う。闘牛ふれあい体験

闘牛ふれあい体験

料金/1名2500円(大人・小人同額)

所要時間/1時間30分

電話/098-978-0077(うるま市観光物産協会)

※雨天時は室内のみ、悪天候・荒天の場合は催行不可。

※2週間前までに要予約

掲載日 2017年1月27日